KIT/マックゥェーリー共同脳磁科学研究所           


語学の分野で研究成果

~人は生まれながらにして言語についての論理構造を備えている~



先端電子技術応用研究所は脳磁計の応用研究のために海外の研究所との連携を進めておりますが、その一つであるオーストラリアのマックゥェーリー大学内に設置されたKIT/マックゥェーリー共同脳科学研究所ではヒトの言語認知のメカニズムを解明する研究が進められています。
ここでは小児の時期に言語能力の発達が著しいことに注目し、小児専用の脳磁計を用いて、言語学における「生成文法仮説」すなわち「ヒトは生まれながらにして言語についての論理構造を備えている」という仮説を検証すべく研究を行っています。

図は小児の語学学習に関する国際共同研究の成果を報告したものですが、修学前の小児が文法に誤りのある文章に対して脳の特定の部分が強く反応することが示されています。

また同大学は北京語言大学(日本名:北京言語文化大学)との国際共同研究を通じて、反応部位は母国語が中国語の小児と英語の小児で同じであるなどの知見を得ており、今後のヒトの言語能力獲得のメカニズムの解明に役立つことが期待されています。