先端電子技術応用研究所について

        本研究所は微小磁気計測をテーマとして高感度磁気センサの開発と
   その応用についての研究を行なっております。
   磁気センサの開発は極低温で動作するSQUIDに加えて室温で動作する
   フラックスゲートやMIセンサの開発を行なっております。
 
    また磁気センサを応用したシステムとしては脳磁計や脊磁計などの
   生体磁気計測装置に加え、地磁気計測装置やMRIなどの応用研究を
   行なっております。
 
    脳磁計については海外の5つの研究所に装置を設置して、脳機能の研究や
   言語学の研究に活用されております。
   ユーザからの励ましや要望などのフィードバックを糧にして、装置の信頼性と
   機能を高める研究を進めております。
 
    脊磁計は脊髄神経の機能を非侵襲的に検査できる可能性を持っております。
   脊髄に疾患のある患者について、不要な手術を避ける、あるいは手術が
   必要な場合でも手術すべき部位を術前に知ることに役立つものとの期待をもって
   実用化を目指しております。
 
    本研究所には様々なSQUIDセンサを試作できる設備があり、この優位性を
   利用して地球規模の磁気活動を計測する装置の開発も行なっております。
 
    ひとつは微弱な地磁気変動観測のためのELFA(極低周波アンテナ)であり、
   もうひとつは百万年単位の地磁気の反転の歴史が記録された岩石を検査する
   SQUID顕微鏡です。地磁気変動は地殻内部での活動とも連関があるとされて
   おりますので、ELFAが地震の頻度の多い我が国での地震予兆観測の強力な
   ツールとなるものと信じて研究を行なっております。
 
    この他、微小磁気計測で培ったこれまでの技術と設備を活用して、
   MRIや常温磁気センサなどの新しいアイデアの実現を図るほか、微小磁気計測に
   まつわる様々な可能性のある研究についても学内外の研究者と協力しながら
   推進しております。

論文が掲載されました

 足立先生がIEEE Magnetics Lettersに投稿していた論文が電子的に出版されました。


これまではそれぞれの磁気センサの位置と向きを、各コイルからの理論的な磁場信号と
センサで実際に測定した信号との差を最小化する逆問題を数値的に解くことで
求めていましたが、
逆問題を解くことなく、深層ニューラルネットワーク(DNN)を用いて、
ヘルメット型センサアレイのそれぞれの磁気センサの位置と向きを推定する手法を
提案した論文です。


 " Fast Acquisition of Sensor Array Geometry of Whole-Head Magnetoencephalograph Systems Using a Neural Network "

         
             
(掲載論文へは上記のリンクから)






                              (2025.06.02)